ジャン=イヴ・フルモー氏の「サクソフォンリサイタル ジャパンツアー2008東京公演」ライブ収録DVDです。


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【吹奏楽 DVD】ジャン=イヴ・フルモー サクソフォン リサイタル ジャパンツアー2008

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・種別: DVD-R   ・音声: AC-3 ステレオ
・画面サイズ:   4:3 ・ディスクタイプ: 片面1層
・本編再生時間: 98分 ・言語: -
・発売元: 株式会社パルス東京 ・その他 -



【収録内容】

 オプセシオン/K.ベッファ
 Obssesions(日本初演)/Karol BEFFA

 ソナチネ/C.パスカル
 Sonatine/Claude PASCAL

 ソナタ/F.デュクルック
 Sonate en Ut#/Fernande DECRUCK

 前奏曲、カデンツァと終曲/A.デザンクロ
 Prelude, Cadence et finale/Alfred DESENCLOS

 サバの女王の登場/G.F.ヘンデル(編曲:J.Y.フルモー)
 Arrivee de la reine de sabbat/Georg Friedrich HANDEL(Arr.Jean-Yves FOURMEAU)

 コンチェルト/A.マルチェロ(編曲:波多江史朗)
 Concerto/Alessandro MARCELLO(Arr.Shiro HATAE)

 アトゥ・サックス/J.ノレ
 Atout Sax/Jerome NAULAIS

 アルトサクソフォンと11の楽器の為の室内小協奏曲/J.イベール(編曲:J.M.ロンデックス)
 Concertino da camera/Jacques IBERT(Arr.Jean-Marie LONDEIX)

 アンコール
 1.Mademoiselle Cendrillon
 2.Joao et Stan

収録:2008年10月31日 第一生命ホール


【プロフィール】

 Jean-Yves Fourmeau

 伝統的なフレンチスタイルサクソフォンの継承者であるジャン=イヴ・フルモー氏は、
 情熱的でサックスが持つ高い色彩感を表現できる音楽家の一人である。17歳の時にパリ国立高等音楽院を一等賞で、
 更にサクソフォンとピアノの室内楽の第3課程を卒業。その後、ソリスト、室内楽奏者、オーケストラとの共演、
 後進の指導など活動は多岐に渡り、フランス国立放送管のソリストの他、2006年よりベルリンフィルのソリストもつとめる。
 フルモー氏の名前を一躍世に広めた世界的なアンサンブル“J.Y.フルモー サクソフォンクァルテット”の活動など
 世界的に活躍しており、教育者としてはセルジーポントワーズ国立音楽院教授として世界中から集まる後進の指導にあたっている。
 また米国インディアナ大学客演教授も務めた(2000-2001)。毎年夏に行われている「浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバル」には
 講師として、第1回(1995~)から参加しており、サクソフォンを学ぶ学生への影響は絶大で有る。
 世界的アーティストとしてのキャリアと豊富な知識を活かし開発協力プレーヤーとしてヤマハサクソフォンの開発に深く携わっている。
 フランスの出版会社" Billaudot "と協力しサクソフォン音楽のレパートリー開拓にも積極的に取り組んでいる。
 ヨーロッパ、アジア、カナダ、アメリカ、オーストラリア、など世界各地でコンサートやマスタークラスを行っている。
 これまでに14作品のCDを発表、世界的レーベル「PHILIPS classic」からCDがリリースされている唯一のサクソフォン奏者でもある。

【収録曲解説】

カロル・ベッファ:オプセシオン
 日本初演に寄せて 解説 : カロル・ベッファ(Karol BEFFA)

 近年の"Orange meanique"、 "Blow up"、 "Manhattan and Metropolis" 等の作品の後、
 私が2008年に作曲したこの“Obsession ”は私の映画好きが昂じたものと言えます。
 このタイトルはジャン・ドラノワ監督(仏)の1954年作品“Obsession”(初公開時邦題:妄執の影)及び
 ルキノ・ヴィスコンティ監督(伊)の1943年作品“Obssessione”(邦題:郵便配達は二度ベルを鳴らす)から来ております。
 本作品の4つの楽章は各々独立して演奏することが可能となっており、オーヴェール・シュル・オワーズ音楽祭
 (Festival d’Auvers sur Oise)より委嘱され、ジャンイヴフルモー氏 に献呈された作品であります。

クロード・パスカル:ソナチネ

 クロード・パスカル(1921- )は、古典的な形式と調性とにこだわりつづけ、
 その作風はドビュッシーやラヴェルの影響を受けているとも言われている。
 10歳にしてパリのコンセルヴァトワールに入学。
 その彼が1948年27歳のときに、母校のサクソフォン科の試験曲として、同科教授であった
 マルセル・ミュール(1901-2001)に献呈したのがこの作品である。
 曲はひとつながりで演奏される1楽章形式だが、実際には3つの部分からなっている。
 第1楽章に相当する部分(Al’aise気楽に)の第1テーマ(付点8分音符+16分音符のリズムからなる)と、
 第2テーマ(3連符からなる)は、いずれも2オクターヴにもわたるスケールの大きいフレーズで、
 いわゆるサクソフォンの標準的な音域がまんべんなく披露されている。
 奏者のレヴェルも楽器の性能も格段に向上し、はるかに拡大した高音域に慣れた現代の私たちの耳は、
 天に突き抜けるような高音の一撃がないこの作品は、あるいはクラシカルな曲と感じられるかもしれない。
 第2楽章(Lent)に相当する部分では、それまでと一転、重厚なピアノの上で「静」の世界が広がる。
 第3楽章(Vif)にあたる部分では、再び動きが活発になるが、そのさまは、ヴァイオリンの弦の
 上で弓が弾み踊るような生気とでも表現すればよいだろうか。

フェルナンド・デュクルック:ソナタ

 フェルナンド・デュクルック(1896-1954)は、フランス生まれの女流作曲家、オルガニストであった。
 この作品は、1944年にミュールのために書かれた、オーケストラとアルト・サクソフォンのための作品である。
 第1楽章(Tres modere,expressif)、第2楽章(Andante)、第3楽章(Fileuse=紡ぎ歌)、
 第4楽章(Nocturne et Final)からなる典型的なソナタではあるものの、内容はフェルリングの「48のエチュード」を
 思い出させる盛りだくさんの内容で、い くぶん郷愁も誘う。

アルフレッド・デザンクロ:プレリュード、カデンツとフィナーレ

 アルフレッド・デザンクロ (1912-1971)は、作曲をブスケに師事し、1942年にはローマ大賞を受賞している。
 この作品はパスカル同様、1956年にパリ音楽院の試験のために作曲され、マルセル・ミュールに献呈されている。
 タイトルが示すとおり楽曲の形式は「プレリュード」「カデンツァ」「フィナーレ」の3つの部分からなる。
 シンプルでありながら、そこに書き込まれた音は、一貫してエモーショナルで求心力が高く、吹く者にも、
 聴く者にも、一瞬たりとも緊張の糸を緩ませることはない。

ゲオルグ・フリードリッヒ・ヘンデル:サバの女王の登場

 ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759)の『ソロモン』は、イスラエル のソロモン王を
 題材にしたオラトリオである。賢者ソロモン王の知恵を求めて、はるばるアラビア半島から多くの家臣と
 供物を伴ってやってきた「サバ(シバ)の女王」を描いたのが、第3幕冒頭に置かれているこのシンフォニアである。
 ヘンデルは、他の作曲家の作品の借用をすることでも知られるが、この作品も例外ではなく、
 第1テーマはテレマンのヴァイオリンのためのコンチェルトから、第2テーマはジョヴァンニ・ポルタの
 オペラから借用されているといわれている。フルモー氏自身による四重奏への編曲は、原曲の高貴さに加え、
 爽やかさも感じられることだろう。

アレッサンドロ・マルチェロ:コンチェルト

 アレッサンドロ・マルチェルロ(1684-1750)は、ヴィヴァルディやアルビノーニと同時代に
 ヴェネツィアで活躍した作曲家であるこの作品の原曲は、≪オーボエ協奏曲≫であるが、
 バッハが鍵盤楽器用に編曲したこと(BWV974)のほかに、第2楽章が映画『ベニスの愛』で使われたことで
 広く愛聴されるところとなり、よく単独で演奏されることでも知られている。
 今回は、オーボエをソプラノ・サクソフォンで、伴奏の弦楽器を四重奏で演奏される。

ジェローム・ノレ:アトゥ・サックス

 ジェローム・ノレ(1951-)は、パリ音楽院でソルフェージュ とトロンボーンを学び、
 1976年からアンサンブル・アンテルコンテンポランのトロンボーン奏者として活躍している。
 この作品は、おそらく吹いていても聴いていても相当に気持ちがいい曲である。
 ジャズ的な要素が採り入れられていることも、グルーヴ感をいっそう高めている。
 5人の複雑な絡みがいっさいない代わりに、アンサンブルの基本中の基本である、
 縦の線をぴったりと揃え、フレーズをスムースに受け渡しすることが演奏の成否の鍵を握っている。

ジャック・イベール:アルト・サクソフォンと11の楽器のための室内小協奏曲

 この作品は、ミュール とならぶサクソフォン界 のパイオニア、
 ジグード・ラッシャー (1907-2001)の依頼によって、1935年にジャック・イベール(1890-1962)に献呈されたものである。
 この作品が、サクソフォン奏者たちが必ず一度は向き合う、いやもはや向きあわねばならない作品であり、
 これまでも数多くの名演を生み出し、演奏家たちに名声を与えるきっかけとなってきたことも、
 多言を要しないであろう。
 なお題名にある11の楽器とは、本来はヴァイオリン(2)、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、
 オーボエ、フルート、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペットであるが、
 今回は、ジャン=マリ・ロンデックス氏による編曲で、合計12本のサクソフォンによる競演が繰り広げられる。

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