この度の東日本大震災で被災された方々へは、お掛けする言葉も見つかりません。
唯々、希望を失うことなく前を向いて歩まれることを願うのみです。
　私も一人の音楽家として、そして一人の人間として
何かお力になれればと考えておりましたが、たまたま去年(2010年)、
神戸シンフォニックバンドさんの委嘱で書かせていただいた
「Renaissance（復興）」という曲がある事を思い出しました。

この曲は、当初「～阪神淡路大震災への鎮魂歌、そして復興への讃歌」
というサブタイトルをつけていましたが、できる限り
復興支援の手助けができるようにとの、神戸シンフォニックバンドさんの
ご同意も得て、サブタイトルを「～大震災への鎮魂歌、そして復興への讃歌」と、
より広い意味合いのものにすることにし、
エイトカンパニィ社さんで出版していただく事になりました
（得られた収益はすべて義援金として、被災された方々に届けられます）。

曲は、トランペット・ソロによる犠牲になられた方々への
鎮魂の歌で静かに始まります。やがて希望を描いた勇壮な旋律が表れ、
途中、さまざまな思い出を回想する穏やかな中間部が美しく歌われます。
そして勇壮な旋律が再現され、力強い復興へと展開していきます。
グレードも、私の曲の中では比較的易しい方で、編成的にも
30人前後で十分効果的に演奏出来ます。
ぜひ、この曲を多くの吹奏楽団体で演奏していただき、
この曲を聴かれた方々に被災地のことを思っていただいたり、
また、被災された方々には少しでも心の励みになれば、
私にとりまして、これにまさる幸せはありません。
【真島俊夫】