この作品は、川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団の
委嘱により作曲した金管八重奏曲で、
2012年11月に文京シビックホール（東京都文京区）にて
開催された「シエナ de アンコン」において、
同団により初演されました。

曲全体は「Ａ‐Ｂ‐Ａ'（急‐緩‐急）」の三部構成とし、
各部分で都会人（＝メトロポリタン）の様々な表情を
描き出してみました。前半（Ａ）では、都会人のスタイリッシュな
一面を軽快なテンポに乗せて表現し、続く中間部（Ｂ）では
少々お疲れ気味な都会人の、束の間の休息をスローテンポで
描きました。後半（Ａ’）では、雑踏の中で人の波に揉まれ、
時間に追われる都会人の慌ただしさを、
急速なテンポと細かく動き回るパッセージで表現しました。

なお作曲にあたり、委嘱初演メンバーの提案や
要望などを可能な限り取り入れました。
中間部冒頭のユーフォニアムとテューバの二重奏や、
曲終盤に現われるピッコロトランペット２本による
掛け合いなどは、それらを反映させたものです。