2012年にBUZZ FIVE(金管五重奏団)の委嘱により創作。
当時の特集プログラム「アフリカ」に因んだ作品として、
オアシスを題材としました。
水が渇きの潤しをもたらすことで、
生命力をみなぎらせることができます。
しかしながら砂漠にオアシスを求めるほどにその場所は遠く、
また貴重であることを実感するのです。

「渇き」を遠く見晴るかすようなロングトーンと
信号のようなモチーフ、16ビートに由来するリズムのカノン、
次第に長いメロディが見え、繊細にリズムと
音色が変化しながら、7/16拍子のリズムの中間部を引き寄せ、
「潤い」に満ちた華々しいクライマックスを形成し、
やがて再びロングトーンによる遠い景色に回帰していきます。

テンポは一貫させながらも、リズムの差異により
スピードの変化を感じることと思います。
音色とリズムのニュアンスを繊細に取り扱いながら
演奏を進めて頂きたいと思います。