新学期も早や3ヶ月が過ぎ、中高生のスクールバンドも軌道に
のりだし、コンクールや各種催しを意識する時期へと
さしかかりました。 そんな中、昨年の全日本吹奏楽コンクールで
3年連続の出場となり、規定により今年はコンクールの出場を
お休みされる名門「淀工吹奏楽部」が7月30日に東京で
演奏会をすると伺い、取材してまいりました。
淀工吹奏楽といえば吹奏楽コンクール、マーチングコンテスト、
アンサンブルコンテストなど、吹奏楽の大会ではいずれの
ジャンルでも常に好成績を納めるバランスのとれた吹奏楽名門校。
テレビや新聞でもよく取材されている様子から伺うと、「一人一人の楽器の腕を磨くことよりも人間を磨く」といった印象を濃く感じます。
そんな淀工吹奏楽部×丸谷明夫先生に、今年の活動と東京公演について突撃取材してまいりました。
練習に伺ってまず思った事は、とにかく『自由』という事。
「200名余りの部員が活動するクラブで、統制を取るにはさぞ
上下関係が厳しく決まりが多いのでは?」と思いきや、想像とは
まるで逆!決まり事や規則が統制をとるのではなく、
先生や生徒同士のお互いの発言により、物事が進みお互いの
思いを確認し合いながら活動していく様子に唖然としてしまいました。
一日の練習予定をはじめ、メンバーのメンタル面まで、すべて
生徒が自主的に話し合い、常に丸谷先生の周りで自分たちの考えを
出し合い、相談している様子はある種、大人以上の『自由でいて
厳しい社会』を連想させます。
生徒さんにお話を伺うと、「どれだけ練習するのも自由」「私は○○が好き」「なかなか自分に厳しくなれていない」
「人の身になる事が難しい」といった、良い意味での自由な言葉が自然と出てきます。丸谷先生との関わりの中で「自己責任」という
前提の元、結果を出すために、人の役に立つために、自分の成長のために、そして今どんな事をしたいかを考える高校生の姿に
驚かされました。
そんな淀工吹奏楽部。今年は吹奏楽コンクールへの出場はお休みされますが、
7月30日に東京にて単独の演奏会に出演されるとの事。このあたりについて顧問の丸谷先生にお話を
伺いました。
「規定によりコンクールへ出場しない事をきっかけに、関東方面の関係者の方から単独の演奏会を
ぜひ東京でというお話を受け、演奏会を開いて頂く事になりました。内容については一方的な
主張をするのではなく、とにかく会場のみなさんと一緒に、『音楽』が出来る構成にしています。」との事。
地元で行われる演奏会は、常に超満員の淀工のコンサート。演奏や音楽の裏側には丸谷先生の
「お客さんと一緒に『音楽』をしたい」という想いや、生徒達の「常に自分と向き合う努力をする」
といった姿勢が、いつも見る側の私たちに元気を与え、一緒に楽しめる演奏会に繋がっているのでは
ないかと思いました。
|