1857年生まれのエドワード・ウィリアム・エルガーは、
19世紀から20世紀にかけて活躍したイギリスの作曲家、指揮者です。

日本の吹奏楽の世界では「威風堂々」や「エニグマ変奏曲」が最も知られていると思いますが、
他にもいくつかの交響曲、オラトリオ、そしてチェロ協奏曲や
ヴァイオリン協奏曲等多くの名曲を残しています。

独学で作曲を学んだエルガーが、ヴァイオリンやピアノを教えて生計を立てていた1888年、
この「愛のあいさつ」は、1889年に彼と結婚することになる
キャロライン・アリス・ロバーツとの婚約に際して彼女への贈り物として書かれました。
原曲はヴァイオリンとピアノ。その他にピアノ独奏、チェロとピアノ、
小編成の管弦楽等、さまざまなエルガー自身による稿が存在しています。

エルガーは、この曲を婚約者に捧げ、翌年に結婚し、作曲家として成功を収めました。
この曲を作曲した時のエルガーの優しい「想い」を感じながら演奏されることを願います。（飯島俊成）